後遺障害がなければ得られた収入や慰謝料
消極損害とは?
消極損害とは、事故に遭わなければ、得られただろう収入のことです。
積極損害は基本的に実際の支出ですが、消極損害は言うまでもなく推定金額です。
消極損害の具体的な費目は下記のリストです。
- 休業損害
- 逸失利益
休業損害
治療中に仕事ができないために減った収入の損害です。
基本的に、事故に遭う前の収入を基礎に算定されます。
実収入のない専業主婦も女性の賃金統計データを使って損害を請求することが認められています。
逸失利益
事故に遭ったために生じた収入の減少分のことです。
治療中のそれは「休業損害」として扱われるので、逸失利益は症状固定後、または死亡後の話です。
後遺障害逸失利益
後遺障害が残った場合、残りの人生での収入減が「後遺障害逸失利益」です。
直近での収入と、後遺障害等級で決まる「労働能力喪失率」を使って計算します。
そのため、少しでも高い等級の認定を受けておくことが非常に大切なのです。
保険屋にまかせておくと保険金抑制のために低い等級に誘導されます。
障害が残りそうだと判断した時点で、注意を等級認定に移していただきたいと思います。
死亡逸失利益
被害者が死亡した場合、残りの人生で得られたであろう推定収入の減少分が「死亡逸失利益」です。
これは直近の収入を基に生涯の収入を出し、本人が生活費で消費する分を差し引いて算出します。
何歳まで生きるかは平均寿命を使い、67歳まで収入があると仮定するのが基本の考え方です。
後遺障害にせよ、死亡にせよ、逸失利益は大きな金額になる傾向があります。
被害者が若くて高収入なら1億円を超えることもあります。
つまり、交通事故損害賠償の中でも非常に重要な費目なのです。
そして、あくまで推定金額なので、計算の仕方次第で大きく変わる面があることは否めません。
だからこそ、詳しい弁護士に頼んで、最大限に有利な計算で請求してもらうべきなのです。
物損の消極損害
店に車が突っ込んでしまい、営業できなくなった間の収入減が「営業損失」。
あるいはタクシーや運搬トラックなどの業務車両が使えなくなった間の「休車損」。
これらが物損の消極損害の代表です。
「物損」というと物自体の損失と捉えがちですが、物を使って得られていた収入の損失も含むことを理解しましょう。